結論:鍵交換費用の負担は誰?
鍵交換費用を誰が負担すべきかは物件によります。
いきなり曖昧な表現ですみません。
ただ、賃貸においては「宅建業法」という法律で整備されている部分以外は
基本的には貸主がルールを決めています。
鍵交換費用の負担は大きく分けて二つ
貸主が負担する
ちなみにですが国土交通省のガイドラインでは下記のように定められています。
●鍵の取替え
(破損、鍵紛失のない場合)
(考え方)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。
国交相ガイドライン P25より
このガイドラインの位置付けとしては、あくまでも一般的な基準を示したものと記述があり、
法的な拘束力を持つものではないとされています。
借主が負担する
おそらく、借主が負担するパターンの方が多いと思います。
上記ではガイドラインで貸主が負担する方が良いと述べましたが、
あくまでも法的な拘束力はないとも述べました。
なので、借主が負担するようにと貸主が決めることができるのです。
結果として、「貸主が絶対に負担しないといけないわけではない。」のであれば
借主に負担してもらおうと考える貸主が多いので、鍵交換費用は借主負担となるパターンが多いのが現状です。
貸主に費用負担してもらうよう交渉はできるか
ガイドラインでは貸主が負担するのが妥当とありました。
では、実際に入居費用明細書に「鍵交換費用」の名目があった場合
貸主の負担としてもらえるように交渉はできるでしょうか?
交渉する方法
交渉しづらいと思うので、メールなどで下記の文章をコピペでOKです。
実際にこの交渉がうまく行ったケースも多いので実践してみましょう。
〇〇不動産 ○○様
先日は○○マンションの初期費用明細書をご送付いただきありがとうございました。
一点、鍵交換費用の負担は貸主様に負担いただけますよう交渉いただけますでしょうか?
国交相のガイドラインを確認したところ、鍵交換は物件管理上の問題であり
貸主が負担するのが妥当と考えるとのことでした。
念のため、国交相と消費者センターにも電話で確認しましたが、原則貸主負担とのことでした。
大変お手数おかけして申し訳ございませんが、ご負担いただけない場合
別の物件に切り替える可能性もございますので、一度ご検討ください。
そもそも鍵交換は任意?強制?
上記では鍵交換費用を請求された場合に、どちらが負担するかについて述べていました。
そもそも鍵の交換は、任意です。
基本的には絶対に交換しないといけないルールはないのです。
ただし任意で鍵交換を不要とした場合は
前の入居者と同じ鍵を使うことになりますので、セキュリティ上の不安が残ります。
個人的には、借主負担となると費用はかかる鍵交換ですが
実施しておいた方が良いと思います。
鍵交換の方法について
鍵交換の方法は大きく分けて2つあります。
新規鍵の設置
現在の扉に設置されているシリンダーを新しく設置する方法です。
相場は1〜2万円が相場です。
ローテーション
マンション内で、空きが出るたびにシリンダーをごっそり交換していく方法です。
例えば101号室と201号室に空きがあれば、
そのふたつの部屋のシリンダーを交換すれば、以前の入居者の鍵で開けることはできなくなります。
そんな方法で・・・と思われるかもしれませんが
単身用のアパートなどでは一般的な手法です。
この場合、鍵交換費用の請求はなかったり、1万円程度のことが多いです。
鍵の種類について
これも大きく分けて2つの種類があります。
要は鍵がギザギザしているかポコポコしているかの違いです。
ディンプルキーはシリンダーキーに比べて防犯性が高く、交換費用も少し高くなります。
項目 | ディンプルキー | シリンダーキー |
---|---|---|
防犯性 | 高い | 低い |
交換費用相場 | 2〜3万円 | 1〜2万円 |
結果、鍵交換はどうしたら良いの
結局、鍵交換費用の負担は借主負担となるケースがほとんどです。
そのため、可能であれば交渉して貸主負担にしてもらいましょう。
また、鍵交換の方法と鍵の種類についても確認しておくと、相場がわかって安心です。
セキュリティの観点から、鍵交換は絶対にした方が良いので
なるべく貸主負担で契約できるように頑張りましょう。
ただ、実際頑なに鍵交換費用の貸主負担に応じず
請求される費用も高額な物件は存在します。
そういう物件は、物件に自信があり交渉に応じずとも入居者が絶えないと高を括っています。
鍵交換費用が少し高くともこの物件が良い。。。となるのであれば仕方ないかなあと思いますが、
相場や正しい知識を知ってて契約するのと知らずにぼったくられるのは違います。
せめて今日の内容を知っていただけると、ぼったくられる事はないかと思います。
まとめ
鍵交換費用は貸主に負担してもらいたいところ
実際には借主負担のものが多いので交渉すべき
鍵交換と言っても新しく設置する方法とローテーション方式がある
鍵の種類もディンプルとシリンダーがある